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高崎誘導のよもやま話~第14回~

皆さんこんにちは!

 

群馬県高崎市を拠点に全国各地で大型特殊車両の誘導・搬送サポートを行っている

株式会社高崎誘導、更新担当の富山です。

 

 

 

大型特殊車両誘導の歴史

〜巨大な車両を安全に動かすための知恵と工夫〜

1. 大型特殊車両の誕生と誘導の始まり

 

大型特殊車両とは、建設現場や土木工事、港湾、鉱山などで使用されるショベルカー、ブルドーザー、クレーン、ダンプトラックなどを指します。

これらは明治時代後期から大正・昭和初期にかけて、海外から日本へ導入され始めました。

当初は馬や人力に頼っていた工事現場に、蒸気機関やエンジンを積んだ重機が導入されたことで、一気に効率化が進みます。

しかし問題となったのは、その巨大な機械をどうやって「安全に動かすか」でした。

幅も高さも通常の道路を走る馬車や自動車とは比べ物にならず、周囲の歩行者や建築物に接触する危険性が常につきまといました。

そこで登場したのが 「誘導員」 という役割です。

当初は特別な資格があるわけではなく、現場の熟練労働者や工事監督が手旗を使い、車両のドライバーへ合図を送るのが一般的でした。


2. 戦後復興期とインフラ整備の拡大

 

第二次世界大戦後、日本は復興のために道路、橋梁、ダム、港湾といったインフラ工事を急ピッチで進めました。

この時代に本格的に大型特殊車両の利用が広がり、必然的に誘導作業の重要性も増していきます。

当時はまだ道路事情が悪く、舗装されていない狭い道や橋を大型車両が通行することも珍しくありませんでした。

こうした環境下では、誘導員が前後に立ち、時にはロープや旗を使って「通れるルート」を確保しながら慎重に進めていたのです。

この頃から、誘導員は単なる「旗を振る人」ではなく、工事全体の安全を守る存在としての意識が高まりました。


3. 高度経済成長期と交通ルールの整備

 

1960年代から70年代にかけて、日本は高度経済成長期を迎えます。

高速道路網の整備、新幹線建設、大都市での再開発など、大型特殊車両が不可欠な大規模工事が次々に行われました。

同時に、交通量の増加による事故防止の観点から、 交通誘導警備や特殊車両通行許可制度 が整備されていきます。

警察庁や自治体は「大型車両が公道を走る際には、誘導員を配置すること」を推奨し、徐々に業務として体系化されていきました。

この時代には誘導員が使用する装備も進化します。

昼間は赤・白の手旗、夜間は赤色灯や懐中電灯を用いるようになり、視認性と安全性が格段に向上しました。


4. 現代における大型特殊車両誘導

 

現代では、誘導作業は建設業法や労働安全衛生法、さらには道路交通法とも密接に関わり、専門の教育を受けた人材が担当するのが基本となっています。

  • 無線機の導入:運転手と直接会話できるようになり、旗や身振りだけに頼らない指示が可能に。

  • 反射ベスト・LED誘導灯:視認性を高め、昼夜を問わず安全な誘導が実現。

  • 資格制度:交通誘導警備業務検定、建設機械施工技士、安全衛生教育など、専門知識を学ぶ機会が整備。

 

また、都市部ではクレーンや大型トレーラーの通行が周辺住民の生活に直結するため、誘導員は単に安全確保だけでなく、地域住民への配慮やコミュニケーションも求められるようになりました。


5. 今後の展望と課題

 

近年ではICTやAI技術の導入により、カメラやセンサーを活用した自動誘導システムの研究も進んでいます。

しかし現場は千差万別で、狭い路地、急な天候の変化、人や自転車の飛び出しなど「機械では判断できない瞬間」が多々あります。

そのため、 人による誘導の役割は今後も不可欠 です。

また、労働人口の減少に伴い、誘導員の人材確保は課題となっており、待遇改善や働き方改革も重要なテーマになっています。


まとめ

 

大型特殊車両の誘導は、単なる補助的な作業ではなく、工事の安全と地域の安心を守る要であり、100年以上の歴史の中で進化してきました。

蒸気機関の重機が入ってきた時代から、最新のICT技術が導入される現在まで、その本質は 「人と機械と社会をつなぐ架け橋」 であることに変わりありません。

これからも誘導の歴史は、新しい技術とともに進化しながら、私たちの暮らしを支え続けていくでしょう。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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